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自転車メンテナンス時の注意 ―ボルト編―

による nicole hu 19 Aug 2022 0 コメント
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクのメンテナンスの時は、ボルトを取り換えたくなる時があります。

筆者の場合は、シティサイクル(ママチャリ)の時はそんなことは一度もなかったのですが、スポーツバイクだとボルトを交換してくなる時があります。

 

サビて来た時や、元々使われていたボルトが長すぎると思っていたものを交換したいときなどです。

 

これは、筆者の個人的な感想ですが、海外の部品を買うとボルトは長めの物が多いようです。

あまり気にする必要はないのかもしれませんが、機械設計者でもある筆者としてはボルトの長さはすごく気になるポイントなのです。

 

ボルトを交換する際に注意する必要があることをお知らせします。

ボルトなんて付いている物と同じ物を交換したらいいだけ、と思いがちですが、以下の点はチェックしてください。

 

■規格

ねじにはらせん状の波々形状が作られています。この山と山(もしくは谷と谷)には一定の長さ(ピッチ)があります。

 

これには主に、インチとミリのピッチがあって、間違えたものを買うと同じような太さのねじでもちゃんと穴に入りません。

ほとんどの場合、ミリねじを買えば大丈夫なのですが、たまにインチねじが使われていることもあるのでご注意ください。

 

ミリねじはJIS(日本工業規格)で決まっているので、必要ならば簡単に検索できます。

調べると、「並目」「細目」と出てくるかもしれませんが、ほとんどの場合「並目」ですので「細目」のことは忘れてもいいでしょう。

 

ホームセンターにねじを買いに行ったら、ほとんどがミリねじの並目でした。

珍しい部品を使っていて、ミリねじや細目のねじが使われているとしたら、ネット通販で買うのが最も簡単な入手方法だと思います。

 

どうしても分からない場合は、街にねじ屋さんがありますので、そこに持ち込むと詳しく調べて、教えてくれます。

 

■頭の形

ねじには頭の形があります。

画像の物はいわゆるキャップスクリューと言うものです。

カーボンホイール

ほとんどの場合「キャップスクリュー」と呼び、表示だと「CS」と書くこともありますが、日本名で言うと「六角穴付きねじ」です。

 

その名の通り、六角レンチ用の六角形の穴が付いています。

プラスドライバーやマイナスドライバーでは絞めることも緩めることもできません。

しっかりトルクをかけて締めたいところに使われているので、別の頭、別の穴形状にねじに替えるのはお勧めしません。

 

■長さ

長さに関しては、長すぎる物は適切な長さの物に交換した方がいいと思います。

長すぎる物は出っ張っていて、引っかかるのです。

ケガの原因にもなります。

 

穴を突き抜けて出ている部分は力学的には何の効果もありません。

ちゃんとねじが締められるのならば、長すぎるねじは適切な長さの物に交換してしまいましょう。

カーボンホイール

 

■太さ

太さは自転車で使われているものに限定すれば、M4とM5くらいしかないと思います。

M4はねじの山の部分(一番径が太い部分)の直径が4mmという意味です。

M5は5mmという具合。

 

普通のねじで、M4.2とかM4.5とか中途半端なものはありません。

ホームセンターに必要なねじを持って行って、売られている物に当ててみれば同じかどうかはすぐに分かると思います。

カーボンホイール

■材質

材質もとても重要です。

「ステンレスならサビないので最強」と思っておられる方もおられますが、必ずしもそうではありません。

 

たくさん必要な場合は、コストを考えると鉄の方が安いこともあります。

自転車に限定すれば、そんなに同じ場所にたくさんのねじが使われることはないでしょうから、ステンレスでも構いませんが、鉄の部品には鉄のねじの方が良いこともあるのです。

 

■メッキ

メッキは一般の方にはあまりなじみがないかもしれませんが、サビを防止する効果があります。

 

画像を見ると分かりやすいと思います。

カーボンホイール

 

左からステンレスは通常メッキをしません。

生地のまま使います。

若干 光沢はあるのですが、あまりピカピカしない銀色をしています。

 

中央が鉄のねじで、ニッケルめっきされています。

鉄は生地のままだとサビるので、ほとんどの場合メッキして使います。

ピカピカした銀色のねじがニッケルめっきです。

 

次が少し青みがかった銀色が「ユニクロメッキ」です。

ニッケルめっきよりも安いメッキで、防錆性もニッケルめっきに劣ります。

 

最期に右が、既にサビてしまっていますが、「黒染」です。

「四三酸化鉄皮膜」とか「パーカーライジング」とか名称は色々あります。

防錆性は「ないことはない」くらいの弱い防錆性で、水がかかったりするとすぐに錆びます。

 

防錆という話をするのならば、アルミニウムの部品に鉄のねじを使う場合は注意が必要です。

「異種金属接触腐食」とか「電食」とか言われていますが、違う種類の金属が接触するようにしていくと、(細かな説明は省略しますが)サビやすくなってしまうのです。

組み合わせによってサビやすさがあるのですが、アルミと鉄は錆びやすい組み合わせです。

 

そこで、それを予防するためにメッキがあります。

メッキの種類によっては、ねじを締めた時に生地同士が接触してしまうこともあり、錆びの原因となってしまうことがあります。

 

筆者の勝手な感想としては、ニッケルめっき以上のメッキの方がいいでしょう。

ステンレスの場合、メッキはないのですが、表面に薄膜が貼る能力があるので、錆びにくいです。

ただ、水にぬれると「もらい錆び」という現象で、黄色い錆が付きますので、水に濡れたら後で拭き取るのが良いでしょう。

 

この様に、ねじの交換だけでも注意点は多岐にわたります。

心配な場合は、自転車店に相談してみてもいいと思います。

 

外部ライター:奥野 晃一

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