安心なロードバイクの保管・駐輪場所とは
その内の一つで忘れがちなのが「保管・駐輪場所」です。
自宅保管場所
一番大事なのは、自宅での保管場所です。
自宅の保管場所によって保管方法は大きく違います。
- 一戸建てに保管する場合
自宅が一戸建ての場合、敷地内に駐輪できるので、停め方は自由にできます。
だからと言って、安心はできません。
盗難の場合は、自宅敷地内でも被害にあうことがあるのです。
基本は「地球ロック(アースロック)」です。※後述
動かせない強固な構造物に絡めて強固なカギでロックする必要があるのです。
自転車カバーもあった方がいいです。
特にカーボン素材の場合は、紫外線による劣化が最大の敵です。
庇(ひさし)の下など、日の当たらないところに置くのは絶対的な基本で、可能ならば自転車カバーもあったらより良いです。
自転車カバーは紫外線カットのものがありますので、購入の際はチェックしてみてください。
実際に使うとわかるのですが、自転車カバーは風ですぐに飛ばされます。
クリップなどで止めるようにしましょう。
道から車体を隠すというのは盗難防止の点で考えてもいいので、多少面倒でもやっておいた方がいいでしょう。
商品を探すときは、「UVカット 自転車カバー」などがわかりやすいです。
- マンションに保管する場合
マンションの場合は、駐輪場に置くのか、自宅に置くのかでずいぶん変わります。
駐輪場に置く場合は、自宅の時と同様に、地球ロックを心がけて盗難防止を心がけましょう。
マンションの部屋に置くことが可能な場合は、そちらの方が安心です。
エレベーターに乗るのか検討する必要があります。
自転車は、JISの企画で全長185cm以内となっています。
日本で売られている物のほとんどがこの寸法以内になっていると考えていいでしょう。
一方で、マンションのエレベーターの広さは、15人乗りのかなり大きなものでも、奥行きが150cm、横幅で160cmと自転車をまっすぐ乗せるには狭めです。
斜めにしたら漸く乗るかどうかというサイズです。
よく見かけるサイズだと、9人乗り奥行き110cm、横幅140cmです。
これだと斜めにしても、全長185cmの自転車は乗りませんので、前輪を持ち上げて立てるなどして載せる工夫が必要になります。
参考 エレベーターの広さの目安 ※筆者調べ
6人乗り 奥行き85cm 横幅140cm
9人乗り 奥行き110cm 横幅140cm
11人乗り 奥行き135cm 横幅140cm
13人乗り 奥行き135cm 横幅160cm
15人乗り 奥行き150cm 横幅160cm
■通勤・通学時の保管場所
通勤・通学での保管場所の確保も重要です。
学校の場合は、正しく申請して間違いない駐輪場所を確保しましょう。
問題は通勤の場合です。
会社内に専用の駐輪場が確保できればいいのですが、多くの場合通りから見える場所に保管することになります。
施錠を忘れずに保管するようにします。
■立ち寄り場所の駐輪場所
自転車に乗ると、スタートとゴール以外に寄り道、立ち寄りも考える必要があります。
わかりやすい例としては、コンビニに行くときなどが分かりやすいでしょう。
自分としては、ほんのちょっとの時間と思って、鍵を忘れてしまうと、店から出てきたときに後悔することになります。
ほんのちょっとと思っているのは、自分だけで店内に1分もいれば、盗る方としては十分な時間なのです。
自転車に乗って数分走ってしまったものを後から、徒歩で追いかけても絶対に追いつかないのはお分かりだと思います。
ほんの数分だけの場合は、そこまで頑丈なカギである必要はありませんので、簡単にロックできる鍵だけでもあると便利です。
■重要なのはロック方法
ここまでに何度か出てきましたが、自転車のロック方法はとても重要です。
まずは、鍵ですが、太めのワイヤーかチェーンの鍵がいいでしょう。
細いワイヤーは1000円もしない「ワイヤーカッター」という工具ですぐに切れてしまいます。
自宅や職場の駐輪場に停めていても、数秒で切られてしまうので、本気と盗もうと思ったら全く効果がないと言っていいでしょう。
ワイヤーは太めのものを選ぶようにしましょう。
比較や参考になるかはわかりませんが、空き巣が家を狙うときに鍵開けで5分以上かかる家は避けるそうです。
自転車の場合は、もっと短い時間で判断するでしょうから、見た目はとても重要なのです。
見た瞬間に「これは頑丈そう」と思える太めのワイヤーの鍵がいいのです。
- 固定方法の基本「地球ロック(アースロック)」
太いチェーンの鍵を準備してもロックの方法が間違っていると、やはり盗難にあいやすくなってしまいます。
まずは、ホイールだけにロックしないことが重要です。
自転車全体の中で、フレームはとても高価な部品です。
ホイールはそのままに、その他を持っていかれるケースもあります。
駐輪場にきたら、ホイールだけが残っていた……というような場合です。
そのため、ワイヤーはホールに通して、フレームにも絡めてロックする必要があります。
次に、ロックごと自転車を盗まれるケースについても知っておく必要があります。
窃盗団などは、トラックを準備して、めぼしい自転車を載せて盗んでいくので、犯行時間はほんの数秒です。
それを見て止めたり、警察に連絡してくれるような人はほとんどいないと考えた方がいいでしょう。
ここで重要なのが、「地球ロック(アースロック)」です。
建物や、手すりなど簡単には動かせないようなものに括り付けて自転車をロックする方法です。
これにより、ワイヤーロック(チェーンロック)を何とかしないと自転車を移動させることができなくなります。
フレームとホイール、自転車自体と地球をロックすることを考えたら、チェーンロックは2つ以上必要になります。
あなたがロックしたり、外したりするのがめんどくさい分、盗る方はもっとめんどくさいので盗まれない確率が高くなるという訳です。
「利便性」と「セキュリティ性」の兼ね合いは人によりバランスが異なります。
盗まれない場所に保管するのが最優先で、しょうがない時はアースロックを使うように心がけましょう。
外部ライター:奥野 晃一