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ICAN Triaero Flyee実走レビュー|15万円のカーボンロードフレームセット、その実力は?

による nicole hu 20 Sep 2026 0 コメント

ロードバイクの世界では、ここ数年で中国ブランドの存在感がますます高まっています。

かつては「低価格なカーボンフレーム」というイメージが強かった中国製バイクですが、現在ではカーボン素材の選定、フレーム設計、製造技術、規格への対応など、さまざまな面で大きく進化しています。

もちろん、数千ドルクラスのハイエンドフレームセットも存在します。一方で、いわゆるオープンモールドやレプリカ製品とは一線を画し、価格と性能のバランスを重視した選択肢も増えています。

今回紹介するのは、そんな中国ブランドの中でも注目したいモデル、Flyeeカーボンロードフレームセットです。

今回のレビューでは、実際にFlyeeをベースにロードバイクを組み上げ、約1,500kmを走行。山岳ライドやロングライド、ワインディングロードなど、さまざまなシーンで実走テストを行いました。

その結果、Flyeeは単に「安いカーボンフレーム」ではなく、軽量性、快適性、ハンドリング、現代的な規格をバランスよく備えたロードフレームであることが分かりました。

今回は、フレームの素材や構造から実際の乗り味まで、Flyeeの魅力を詳しく紹介します。

2026年の中国ロードバイク、その実力は?

今回のバイクプロジェクトは、主要コンポーネントを中国ブランドで統一し、2026年時点で中国の自転車産業がどこまで進化しているのかを実際に確かめることを目的としてスタートしました。

そのベースとなったのがTriaero Flyeeフレームセットです。

実際に組み上げてみると、Flyeeは単に価格が安いだけではありません。

フレーム設計やカーボン素材、各種規格への対応、そして実際の走行性能まで、現代のロードバイクに求められる要素がしっかりと考えられています。

完成したバイクは、見た目だけでなく、日常のライドでも十分に楽しめる一台に仕上がりました。

ICANとは?Triaeroを展開するカーボンバイクメーカー

Flyeeを紹介する前に、まずメーカーについて簡単に見ておきましょう。

ICANは2009年に設立された中国のカーボンバイクコンポーネントメーカーです。

フレームセットだけでなく、カーボンホイール、インテグレーテッドハンドルバー、各種アクセサリーなど、ロードバイクを構成する幅広い製品を展開しています。

また、ICANは自社ブランド製品だけでなく、OEM製造にも携わっています。

そして、ICANが展開する自社バイクブランドのひとつがTriaeroです。

Triaeroではロードバイク、グラベルバイク、MTBなどの完成車・フレームセットを展開しており、その中でもFlyeeはロードカテゴリーのフラッグシップモデルとして位置づけられています。

Flyeeの特徴は「素材の使い分け」にある

Flyeeのデザインを見てまず印象的なのは、近年のエアロロードに多く見られる極端に複雑なフレーム形状ではなく、比較的クラシカルで洗練されたシルエットを採用していることです。

しかし、Flyeeの本当の特徴は、見た目だけではありません。

フレームには、日本の東レ(Toray)製カーボンを使用し、T700、T800、T1000という異なるグレードのカーボンを用途に応じて組み合わせています。

それぞれのカーボンには異なる特性があります。

T700は比較的しなやかで、振動吸収性に優れる一方、T800は軽量性と剛性のバランスに優れています。

さらにT1000は、より高い剛性と軽量化を実現するために使用されます。

重要なのは、単純に「T1000をたくさん使えば高性能になる」というわけではないことです。

ロードバイクのフレームは、剛性だけでなく、快適性、耐久性、振動吸収性などを総合的に考えて設計する必要があります。

そのためFlyeeでは、各部位の役割に合わせて異なるカーボン素材を使い分けています。

「フルT1000」は本当に高品質なのか?

カーボンフレームを選ぶ際、「T800」「T1000」という表記を目にすることがあります。

特にT1000は高級カーボンとして知られているため、「T1000を多く使っている=高性能」と考えてしまいがちです。

しかし、フレーム全体をT1000だけで構成すれば良いというわけではありません。

T1000は非常に高い剛性を持つ一方、フレーム全体をT1000のみで構成すると、乗り心地や耐久性とのバランスを取りにくくなります。

実際には、必要な部分に高剛性カーボンを配置し、それ以外の部分にはT700やT800などを組み合わせることが重要です。

Flyeeも基本的にはT700とT800を中心に構成し、必要な部分にT1000を使用しています。

特にペダリング時に力がかかる部分などには、剛性を確保するための補強が施されています。

このようなカーボン素材の使い分けによって、フレーム全体としての剛性と快適性のバランスを取っています。

フォークとチェーンステーは快適性を意識した設計

Flyeeでは、カーボン素材の使い分けだけでなく、フレーム各部の役割も明確に設計されています。

フォークやシートステーには、比較的しなやかな特性を持つカーボン素材を使用。

一方、ボトムブラケット周辺やチェーンステーでは、ペダリング時の力を効率よく受け止めるため、より高い剛性を確保しています。

つまり、

「必要なところはしっかり硬く、必要なところはしなやかに」

という考え方です。

これは実際の走行フィーリングにも表れています。

特に路面状態の悪い道路を走った際、Flyeeは予想以上に快適でした。

T47規格を採用したボトムブラケット

Flyeeのもうひとつの特徴が、T47ボトムブラケット規格です。

Flyeeでは、幅85.5mmのT47規格を採用しています。

フレーム内部にはアルミ製スリーブが接着されています。

T47は近年採用例が増えているスレッド式のボトムブラケット規格です。

プレスフィット式と比較して、ねじ込み式のため整備性に優れているのが大きなメリットです。

また、大径スピンドルを採用するクランクとの組み合わせにも対応しやすく、十分な剛性を確保しながら、ベアリングの耐久性にも配慮できます。

実際に組み立てる際にも、T47のメリットを感じる場面がありました。

UDH対応でメンテナンス性も考慮

リアディレイラー周辺には、現在注目を集めている**UDH(Universal Derailleur Hanger)**を採用しています。

UDHのメリットは、ディレイラーハンガーの規格をある程度統一できることです。

ロードバイクを使用していると、転倒などによってディレイラーハンガーが曲がったり破損したりすることがあります。

専用規格のハンガーでは、交換部品を探すのに苦労するケースもあります。

UDH対応フレームであれば、交換用パーツを比較的見つけやすく、長期間バイクを使用するうえでも安心感があります。

現代のロードバイクに対応したフレーム設計

Flyeeは、現代のロードバイクに求められるさまざまな規格にも対応しています。

フロントには160mmローター、リアには140mmローターを使用可能。

ヘッドセットには上下とも1-1/2インチのベアリングを採用しています。

タイヤクリアランスは最大32mm。

近年のロードバイクでは、28Cや30Cといった比較的太めのタイヤを使用するユーザーも増えています。

Flyeeもそうしたトレンドに対応しており、軽快なロードバイクとしてだけでなく、長距離ライドにも対応しやすい設計になっています。

また、ケーブルはフル内装式。

さらにメカニカル変速にも対応しているため、電動コンポーネントだけでなく、機械式コンポーネントを使用したいユーザーにも選択肢があります。

27.2mmの丸型シートポストを採用

最近のロードバイクでは、専用形状のD型シートポストを採用するモデルが増えています。

一方、Flyeeでは27.2mm径の一般的な丸型シートポストを採用しています。

これは一見すると古典的な仕様に見えるかもしれません。

しかし、実際には非常に実用的な選択です。

市販の27.2mmシートポストを選択できるため、将来的な交換やアップグレードがしやすく、ライダーの好みに合わせた調整もしやすくなります。

Flyeeにはオフセット0mmのカーボンシートポストが付属。

このシートポストもフレーム全体の快適性に大きく貢献しています。

900g以下のフレーム重量と15万円の価格

Flyeeの大きな魅力のひとつが、その重量と価格です。

メーカー公称では、フレーム重量とフレームセット価格がそれぞれ900という数字を下回ります。

つまり、

フレーム重量:約900g以下
フレームセット価格:15万円

という非常に分かりやすいコンセプトです。

実際にホワイトカラーのフレームを計測したところ、UDH、フロントディレイラーマウント、ボトルケージボルトを含めて939gでした。

また、カット前のフォーク重量は369g。

カラーやサイズ、計測条件によって重量は変動しますが、価格を考慮すれば十分に軽量なフレームセットと言えるでしょう。

15万円で何が付属する?

Flyeeフレームセットには、以下のパーツが含まれています。

  • フレーム

  • カーボンシートポスト

  • フロント/リアスルーアクスル

  • ヘッドセットベアリング

  • エキスパンダープラグ

  • トップキャップ

一方、専用のインテグレーテッドコックピットであるBLADE-Rは別売りです。

この構成によって、フレームセット単体の価格を899ドルという価格帯に抑えています。

また、ユーザー自身でコックピットを選択できるというメリットもあります。

ICANのカーボンステムを組み合わせ、好みのハンドルバーを選択することも可能です。

ただし、Flyeeとのデザインやケーブルルーティングの相性を考えるなら、専用設計されたBLADE-Rとの組み合わせが最も自然です。

高級フレームと比較すると?

ロードバイクのフレームセットには、数千ドルを超える製品も珍しくありません。

プロツアーで使用されるようなハイエンドモデルでは、フレームセットだけで5,000~7,000ドル程度になることもあります。

一方、中国ブランドの中にも3,000ドルを超えるハイエンドフレームセットがあります。

Flyeeは、それらとは明確に異なる価格帯を狙ったモデルです。

だからといって、単純に「安いだけのフレーム」と考えるのは適切ではありません。

現代的な規格、カーボン素材の使い分け、UCI規格への対応、フル内装式ケーブルルーティング、T47、UDHなど、実用面で必要とされる要素をしっかりと備えています。

「ブランドロゴに高いお金を払う」のではなく、実際に走るための性能と仕様に予算を使いたいというライダーにとって、興味深い選択肢です。

組み立て時に確認しておきたいポイント

もちろん、Flyeeにも完璧ではない部分があります。

実際に組み立てる前にフレームを細かく確認したところ、ブレーキマウント部分は塗装前にフェーシング加工されていました。

ただし、マスキングを外した際に一部塗料が端に残っていました。

大きな問題ではありませんでしたが、余分な塗料はカッターナイフなどで慎重に除去しました。

また、T47のねじ山部分にも若干の汚れがありました。

こちらは爪楊枝やブラシ、ブレーキクリーナーなどを使用して清掃し、グリスを塗布してから組み付けることで問題なく取り付けることができました。

このように、カーボンフレームを自分で組み立てる場合は、いきなりパーツを取り付けるのではなく、各部を事前に確認することをおすすめします。

ヘッドセット周辺はトルク管理が重要

Flyeeを組み立てる際に、特に注意したいのがヘッドセット周辺です。

ステムやエキスパンダープラグについては、メーカー指定トルクに従って組み立てることが重要です。

また、ステアラーをカットする際には、使用するスペーサーの量を決めたうえで、ステム上端より適切な位置になるよう調整する必要があります。

トップキャップとエキスパンダープラグの位置関係によっては、正しくヘッドセットのプリロードをかけられない可能性があります。

組み立てにはトルクレンチを使用することを強くおすすめします。

特にカーボンフレームやカーボンフォークでは、締め付けトルクの管理が非常に重要です。

約1,500km走って分かったFlyeeの実力

今回のレビューを執筆した時点で、Flyeeをベースに組み上げたロードバイクの走行距離は約1,500km。

80km、獲得標高約1,000mの山岳ライドや、5時間以内で走ったノイジードル湖一周など、さまざまな条件で実走しました。

その中でも最初に強く感じたのが、路面の荒れた道路での快適性です。

以前使用していたVan Rysel NCR CFと同じホイール、同じタイヤ、同じ空気圧、同じサドルを使用して比較したため、乗り味の違いは主にフレーム、フォーク、コックピット、シートポストによるものと考えられます。

その結果、Flyeeは予想以上に路面からの振動をうまく処理してくれました。

スポーティーなジオメトリーと軽快なハンドリング

Flyeeは比較的スポーティーなジオメトリーを採用しています。

最初はハンドル位置が低く、さらにオフセットのないシートポストを使用していることもあり、少し慣れが必要でした。

しかし、身体がポジションに慣れてくると、このジオメトリーのメリットが明確に感じられるようになりました。

特に印象的だったのが、コーナリング性能です。

専用設計のBLADE-Rコックピットは、短いリーチとコンパクトなトップ幅を持っています。

420×100mmモデルでもトップ部分は約400mm。

この組み合わせによって、ハンドリングは非常に軽快です。

まるでスポーツカーのように、ハンドルを切った分だけ素直にバイクが反応してくれます。

ワインディングロードで特に楽しい

Flyeeの軽快さが最もよく分かるのが、山道やワインディングロードです。

コーナーへ進入するとき、バイクを少し倒し込むだけでスムーズにラインをトレースしてくれます。

もちろん、安全な速度域で走ることが大前提ですが、コーナーが連続する道ではFlyeeの俊敏なハンドリングが大きな魅力になります。

単に直線を速く走るだけではなく、曲がることそのものが楽しいロードバイク。

これがFlyeeに乗って感じた大きな特徴でした。

横風や斜め前方からの風でも安定

Flyeeの魅力はコーナリングだけではありません。

横風や斜め前方から風を受ける状況でも、非常に安定した挙動を見せました。

フレームのジオメトリー、コックピット、ライディングポジションなど、複数の要素が組み合わさった結果だと考えられます。

理由をひとつに限定することはできませんが、実際のライドでは不安定さを感じる場面が少なく、安心して走ることができました。

ボトムブラケット周辺の剛性感も十分

ペダリング時の剛性感も好印象です。

もちろん、Flyeeより剛性の高いフレームは存在します。

また、T1000より高性能なカーボン素材も存在します。

しかし、Flyeeの重量を考えると、ボトムブラケット周辺の剛性感は非常に満足できるレベルです。

特に、ペダリング時に力が逃げているような感覚は少なく、しっかりとペダルへ入力した力を受け止めてくれます。

軽量性と剛性感のバランスがよく取れています。

Flyeeにも気になるポイントはある

ここまでポジティブな部分を紹介してきましたが、Flyeeにも気になる点はあります。

ひとつはヘッドセット周辺のパーツです。

ヘッドセットベアリング、エキスパンダープラグ、トップキャップなどはフレームセットに付属しますが、コックピット側に付属するスペーサーやコンプレッションリングを含め、樹脂パーツの仕上げには改善の余地があります。

例えば、ベアリングカバーがわずかに中心からずれているように見えるケースがありました。

また、使用中にヘッドセットにわずかなガタが発生することもありました。

この点については、より長いエキスパンダープラグへ交換することで改善できる可能性があります。

シートポストクランプについて

もうひとつ確認しておきたいのが、ウェッジ式のシートポストクランプです。

塗装部分にわずかなクラックが発生しましたが、クランプ周辺の塗装処理が影響していた可能性があります。

ただし、その後600~700km程度走行した時点でも、異音やシートポストのずれなどは発生していません。

そのため、現時点では走行上の問題は確認されていません。

カーボンフレームを組み立てる際には、こうした部分も含めて、規定トルクを守って慎重に組み立てることが重要です。

まとめ|Flyeeは「走るためのロードバイク」を求める人へ

約1,500kmを走ってみて、Flyeeは日常的に乗りたくなるロードバイクになりました。

最初はスポーティーなジオメトリーに少し慣れが必要でしたが、身体がポジションに慣れてくると、その軽快さが大きな魅力に変わります。

特に印象に残ったのは、荒れた路面での快適性と、ワインディングでの軽快なハンドリングです。

エアロ性能だけを追求したロードバイクではなく、実際に長く走ることを楽しめるロードバイク。

それがFlyeeの大きな魅力だと感じました。

もちろん、ヘッドセット周辺のパーツや塗装など、細部には改善の余地があります。

しかし、15万円という価格帯で考えれば、Flyeeが提供している性能と実用性は非常に興味深いものです。

軽量なカーボンフレーム。

Toray T700・T800・T1000を使い分けたフレーム設計。

T47ボトムブラケット。

UDH対応。

フル内装ケーブルルーティング。

最大32mmのタイヤクリアランス。

27.2mmの丸型カーボンシートポスト。

そしてUCI規格に対応したフレーム設計。

これだけの仕様を備えながら、フレームセット価格は15万円。

ブランド名だけで選ぶのではなく、実際の走行性能や使いやすさを重視してロードバイクを組みたい方にとって、Flyeeは検討する価値のあるフレームセットです。

Flyeeをさらに引き立てるBLADE-R

そして、Flyeeを一台の完成度の高いロードバイクとして仕上げるなら、専用設計されたBLADE-Rインテグレーテッドコックピットにも注目したいところです。

Flyeeのフレームデザインと自然につながる一体型ハンドルバーによって、ケーブル周りをすっきりとまとめることができます。

さらに、短いリーチとコンパクトなトップ幅、適度なフレア形状によって、Flyeeの軽快なハンドリングをさらに引き立てます。

FlyeeフレームセットとBLADE-Rを組み合わせることで、見た目だけでなく、操作性や乗車ポジションまで含めた一体感のあるロードバイクに仕上げることができます。

Flyeeを検討している方は、ぜひフレームセットだけでなく、専用コックピットとの組み合わせもチェックしてみてください。

軽量で、快適で、そして走ることが楽しい。

Triaero Flyeeは、そんなロードバイクを自分の手で組み上げたいライダーにとって、魅力的な選択肢のひとつです。

 

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