自転車通勤について考える
コロナ禍をきっかけに、通勤の形態に変化があります。
公共交通機関に頼らず密を避ける、という流れがそれです。
代わりの交通手段はクルマ、バイク、自転車など。
考えられる方法はいくつもありますが、ここはICANのサイトです。
当然、自転車での通勤スタイルを考えることになります。
では、さっそくはじめましょう。
1、自転車通勤に向いたケース
イメージとしては次のような感じでしょうか。
・ 目的地まで数駅程度である
・ 駅・バス停までの距離が結構ある
・ 複数の交通機関を短く乗り継いでいる
・ 目的地までの交通機関ルートが直線距離なら意外に近い
・ 安全な交通環境が確保されている
ちょっとイメージが湧いてきたところで、さらに具体的に見てゆきましょう。
2、自転車通勤のメリット、デメリット
〈メリット〉
① 公共交通機関に頼らなくてよい
まず、これが話の出発点です。
無用な感染のリスクが避けられることが一番の目的です。
また、密な環境によるストレスが減る、などの副次的なメリットも生じます。
② 時間短縮の可能性がある
交通機関までのつなぎの時間、待ち時間、運行経路などを考えると、状況によっては、時間短縮の可能性があります。
③ 心身ともに健康になれる
その可能性が充分にあります。
それぞれの状況に応じた車種を選ぶことが、その後押しとなります。
④ 交通費がかからない
会社によっては、自転車通勤の手当さえ出る場合があります。
〈デメリット〉
① 雨天時にはいろいろと厄介である
最大の問題がこれです。雨や雪が降ると、雨合羽やポンチョを用意しても結構過酷な状況にさらされます。ひとつの提案として、天気予報を参考にしながら雨の日は避ける、という気楽なスタンス、というのはいかがでしょう。
② 交通環境によっては逆にストレスになる
裏道など、出来るだけ交通量の少ないルートを考えるなどの対策で、ある程度は解決できます。普段乗り慣れているライダーにとっては無視できる問題です。
③ パンクなどのトラブル時に困る
早朝に開いている自転車屋はありませんし、ルート沿いに店があるとも限りません。
この対策については、後ほどお話します。
3、必要な装備
① ドロヨケ
晴れの日を選んで乗れる趣味の自転車と違って、会社を出たら雨だった、という状況は起こり得ます。この時、ドロヨケのないモデルは悲惨です。後から付けることは可能ですので装備しておくべきでしょう。
② チェーンリングカバー
クランクペダルのギアにズボンの裾をからませることはよくあります。これも後付けのカバーなどが市販されていますので付けておくべきでしょう。
③ カギ
毎日決まった場所に停めておくと、盗難に遭いやすくなります。しっかりしたカギを、出来れば2つ以上用意しましょう。ひとつを大きな構造物に通しておく(地球ロックといいます)のはとても有効な方法です。
④ ライト・ベル・スタンド
スポーティモデルには、ライト・ベル・スタンドの装備がないものもありますので、用意しておきます。
⑤ さらに用意しておきたいもの
・ ヘルメットとグローブは身を守るうえで役に立ちます。
・ 傷害保険は格安で加入できるので一考の価値があります。
・ ゲージ付きのポンプ、工具も欲しいところです。
なお、バイクの信頼性を高めるために、定期的なメンテナンスは受けておくべきでしょう。
4、パンク対策
デメリットの項で、パンクのことについて触れました。
めったにないこととはいえ、朝の通勤時でのパンクは本当に困ります。
ここでは、対策を3つお話します。
① タイヤをパンクしにくいチューブレスにする
どのようなバイクでもチューブレスタイヤが装着できるわけではありませんが、装着可能なホイールであれば、交換をおすすめします。場合によってはホイールの交換でチューブレスに対処できます。ICANの700Cホイールの多くはチューブレス対応です。
【ICAN公式サイト】
https://icanjp.com/collections/wheels
② 自分でパンク修理が出来るようにする
実際には穴を塞ぐのではなく、タイヤチューブを交換することで対処します。
ロードバイク乗りであれば、常に交換用のチューブと工具を携行しているのが普通です。
交換作業は確かに面倒ですが、さほど難しい作業ではありません。行きつけの自転車屋があれば、交換のレクチャーを受けてみるのもいいでしょう。
③ パンクしたら輪行に切り替える
難易度は少し上がります。輪行の手順は別の機会に譲るとして、輪行袋の備えがあれば、タクシーや公共交通機関に乗り換えることができます。
なお、パンクの大きな原因として、釘踏みとリム打ち(段差のショックで中のチューブが押し切られる)があります。
できるだけ、路面のきれいなラインを通ること、激しい段差などでのフルバンプを避けること、適正な空気圧で走ることなどに注意しましょう。
5、自転車通勤にはどんなモデルが向いているか
いかに少ない労力で走り切るか、というのが通勤バイクのキモです。
このため、効率よく走れる適度なスポーティモデルが最適だと考えます。
考えられる選択肢を見てゆきましょう。
① クロスバイク
筆頭にあがるのが、クロスバイクです。
長距離でも快適に走り切れるポテンシャルを持っており、なおかつ実用性をも兼ね備えています。価格が5万円台からのものであれば満足できるものが見つかります。
ドロヨケ・チェーンカバー・カゴを付けても違和感がなく、通勤エクスプレスとしては最適でしょう。
雨天走行を考慮して、雨に強いディスクブレーキモデルを選択するのは賢明な方法です。タイヤは、ある程度太い、トレッドパターンのはっきりしたものが雨で滑りにくく安全です。
② 電動アシスト自転車
通勤に余計なエネルギーを使いたくないとき、電動アシストは役に立ちます。価格が高いのがネックですし、それゆえに駐輪には気を遣いますが、通勤エクスプレスとしては価値のある存在です。シティバイクタイプ、クロスバイクタイプ、ミニベロタイプなど様々なモデルが用意されていますが、状況に応じて選び分ければよいでしょう。
会社での充電の可能性を考えて、バッテリーの取り外しできるものがいいでしょう。
③ スポ―ティミニベロ(小径車)
ギアリングを工夫したものは、侮れない性能と快適性を持っており、取り回しもラクで、街中の走行には向いています。5万円前後からのモデルをお薦めします。
意外なメリットとして、小さな車輪ゆえにキャリアを取り付けるスペースが豊富にあることがあげられます。
また、折りたたみ式のモデルは、万一の故障の時、折りたたんで他の交通機関に乗り換えることができ、機動性は抜群です。(このとき、輪行袋は必要です)
会社内に持ち込めるなら、折りたたんで手近な場所に保管できます。
④ ロードバイク、MTBの本格スポーツ車
普段これらに乗り慣れている人は別として、いきなり通勤用に使うには不向きと考えます。
ロードバイクにドロヨケやカゴはあまり似合いませんし、MTBは街中では少々ガタイがデカいです。
とはいえ、これを機に、本格スポーツ車に足を踏み入れたいという方、大歓迎です!
6、購入方法
あまり自転車に詳しくない方は、店頭での購入をお薦めします。
扱い方の説明、アフターメンテナンスなどの点で心強いものです。
自転車の価格は、他の商品のようにあまり値引きがないのが普通です。これには、組立料、調整料が含まれているからです。安いからといって、通販で買うと、調整などで結局ショップにお世話になることにもなります。
7、最後に
自転車通勤を始めて、ひとまわりスリムになった人を知っています。
季節の移り変わり、花や草の香、街の表情......自転車通勤には思わぬ発見があるものです。
毎日でなくてもいい、週1日からはじめるくらいの気軽な気持ちでスタートしてみてはいかがでしょうか。