備えあれば憂いなし。雨天時に自転車通勤を行うためのポイント
最近、日本でも異常気象が見られ、晴れていたと思ったら急に雨に降られてしまうなんて経験はよくありますよね。
ましてや自転車通勤をしていれば、急な天候の悪化は避けて通れません。そこでの問題は、雨天時の自転車通勤は晴れているときと比べて危険性が増すということです。今日は雨天時でも安全に自転車通勤するためのポイントをお話したいと思います。
雨の日に講じる対策とは
雨天時は危険性が高まる要因がたくさん考えられます。一例をあげると、ブレーキ性能の低下や、雨による視認性の悪化と、交通事故の可能性は枚挙にいとまがありません。
不幸な事故を避けるためにも、スピードは控えめにしましょう。スピードの目安として晴れの日の7割ほどが良いとされています。他の自転車が突然止まっても対応できるよう、車間距離も十分にとりましょう。雨の日ほど準備に時間を取られてしまうと思いますが、そんな時ほど時間に余裕を持って家を出ましょう。仮に漕ぐスピードが通常の速度より遅くても、心にも余裕を持って自転車通勤ができます。これが何よりも重要です。
他にも雨でも快適なレインウエアを着用したり、雨を弾く素材のバッグを使ったりなど、雨の場合でも対応可能なアイテムを準備することも自転車通勤を行うためには必要です。
傘さし運転は厳禁
一番やってはいけないことは傘さし運転。スポーツバイクでやっている方は見かけませんが、ママチャリやミニベロなどではよく見かけます。道路交通法違反であるばかりでなく大変危険です。傘をさして乗れば片手運転となり、バランスをとりづらく、車が飛び出してきても急にブレーキをかけることができません。さらに視界も悪くなり非常に危険です。
偉そうに行っている私も過去、傘さし運転を行い、運悪く転倒。右肩の鎖骨の骨を折る重傷(全治3ヶ月)を負ったことがあります。さすがに痛い思いをしている私はもうしませんが、皆さんはそんなことが無いように気をつけたいですね。
全国では傘差し運転はもちろん、傘を器具で自転車に固定すること、携帯電話・スマホ・イヤホン・ヘッドホンを使用しながらの運転を禁止しています。違反すると5万円以下の罰金に処せられますので、注意しましょう。5万円取られたら懐も痛いですからね。
レインウエアを準備する
雨天に自転車通勤をどうしてもしなければならない場合、レインウエアを着用してからライドするのがオススメです。ただ、通常のレインウエアを着用して20分ほどクロスバイクで運動すると、汗でレインウエアの内側から蒸れてきてしまいます。例え外からの雨を防げていても、汗で体を濡らして冷やしてしまうので注意しましょう。
一方で、ポンチョタイプのレインウエアは通気性がいいので蒸れにくく、バッグを背負っていても、その上から被れるので便利ですが、風でなびいてホイールなどに巻き込んでしまう危険性があるので、おススメできません。
自転車通勤時は自転車用のレインウエアを着用するようにして、機能性の高いゴアテックス素材のレインウエアを買いましょう。少し値段が高いですが、絶対に買っていて損はありません。ゴアテックスは高い通気性を誇り、肌が極度にベタつくことなく快適にライドを続けることができます。
雨天の夜もさらに危険性が高まります。特に激しい雨が降っている場合、ライトの光が弱いとドライバーからクロスバイクを視認できません。
そのため、夕方であっても雨が降っている場合はリアライトを点灯させたり、派手なレインウエアを着用したり、目立つ場所に反射材を用いましょう。
今ではスマホで雨雲の動きを簡単に予測することができます。個人的にオススメのアプリはズバリ「ヤフー天気」です。どのエリアで雨が降っているかはもちろんのこと、雨の振り出し予想時間や降雨量のデータが一番わかりやすく、無料で手に入ります。
事前の対策は必須
通勤手段が自転車以外に公共交通機関の電車やバスがある場合では、雨が降ったら自転車通勤を乗らないという方法もあります。どうしても乗らなくてはならない自転車通勤者なら、常にレインウエアを携帯しましょう。高機能なレインウエアは軽く、畳むと非常に小さくなるので携帯の邪魔になりません。こうすればいつ雨が降っても対応できます。
バッグは耐水性の高いものを選ぶ
自転車通勤を行うのであればバッグは耐水性の高いものを選んでおきましょう。耐水性の高い素材を使っているだけでなく、中に水が入りにくい構造になっているので少々の雨であればそこまで気にする必要はありません。せっかく大事なものを濡らしてだめにするのはもったいないですからね。
グリップ力が落ちていることを知っておく
前述しましたが、雨の日は路面が滑りやすいので注意が必要です。路面が濡れている場合は急ブレーキをすると滑って止まれないだけでなく、タイヤがグリップできなくなると転倒する可能性が高まります。
そのため、急ブレーキをかけなくてよいように常にスピードを落として走りましょう。マンホールや横断歩道などは非常に滑りやすいため、危険予知としてそれらの上を走るのは避けておきましょう。
タイヤのグリップ力を高めるために、乗る前にタイヤの空気を少し抜いておくという方法もあります。乗り終えたら、空気を入れることを忘れないように。
背中を汚したくなかったら泥除けを準備
多くのクロスバイクには泥除けがついていません。そのため、路面状況が悪い場合は道路の泥水をリアタイヤが跳ね上げてしまいます。クロスバイクは普通の自転車と比べて高速でタイヤが回転しますので、跳ね上げられた泥や水は高く上がり背中やヘルメットを汚してしまいます。
泥除けがついていると格好が悪くなるのでつけない、という人も多いかと思いますが、そういった方には着脱式の泥除けをおすすめします。泥除けがあるだけで体やバッグが汚れる心配がなくなるので絶対につけるべきでしょう。
雨の通勤は着替えを守るのが重要!
意外と怠りがちなのは着替えを濡らさないようにすることです。せっかく身体は濡れずにいても、着替えが濡れてしまっては仕事になりません。自転車用バックは水の侵入がほとんどないモデルが多いのですが、万が一を考え、降りはじめたらすぐにバッグの中身が濡れないよう、ビニール袋に入れるなどして大切な荷物を守りましょう。
帰宅後に行うこと
帰宅後に着替えたあと、クロスバイクやバッグ、靴など帰宅後のケアが必要なものは多数あります。自分の体のケアが済んだら、クロスバイクやバッグなどのケアも合わせて行いましょう。
ウエスはクロスバイクのフレームについた水分を拭き取るだけでなく、チェーンの汚れ拭き取りにも使えるので便利です。
クロスバイクに注油する
水分はクロスバイクにとって天敵。そのままにしておくと錆の原因になりますし、不調の原因にもなります。ウエスや乾いた布を使ってクロスバイクについた水分を拭き取っておきましょう。
フレームに加えて注意したのが、チェーン。
チェーン部分はフレームなどと違い樹脂などでコーティングされておらずさびやすい箇所です。可能であれば水分がついている状態でも注油できる特殊なオイルを使って帰宅後すぐに注油しておきましょう。
雨が多い地域の人は自転車通勤を行う人は雨に濡れる機会も多いので、普段使用するオイルはウェットタイプを選んでおくとよいでしょう。水に強く、揮発しにくいので普段使いの人にはぴったりです。
このように雨天時の自転車通勤は危険性が非常に高いため、十分な備えとケアが必要になります。明らかに雨が強い場合は、無理して自転車通勤をするのではなく、公共の交通機関を使用しましょう。これから季節が進み天候が悪くなる時期もありますが、雨とうまく付き合いながら楽しくライドしたいものですね。